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【医師監修】走ったら足の甲が痛い!靴のせい?それって中足骨の疲労骨折かも 

 2018/08/20 Drが書く専門記事 スポーツ医療
この記事は約 5 分で読めます。 42,359 Views

1.疲労骨折とは

疲労骨折とは、1回の大きな外傷でおこる通常の骨折とは異なり、骨の同じ部位に繰り返し加わる屈伸の力によって、骨にひびがはいったり、ひびが進んで完全な骨折に至った状態をいいます。
丈夫な針金でも繰り返し折り曲げ続けると折損してしまうのと似ています。
スポーツ選手では短期的に集中的なトレーニングを行ったときに生じることが多いのも特徴です。

2.中足骨(ちゅうそくこつ)疲労骨折とは

平昌オリンピックのフィギュアスケート女子シングルで銀メダルを獲得したメドベージェワ選手がオリンピックの約4ヶ月前に右足に負傷したことでも有名になりました。

中足骨(ちゅうそくこつ)は、足の甲にある骨で第1中足骨(親指側)から第5中足骨(小指側) まであり、どの骨に起こったかによって、治療方法や治癒期間は大きく異なります。第3中足骨が半数を占め、以下第2、第4の順です。第5中足骨(小指側)の踵に近い部分に起こった疲労骨折は、Jones(ジョーンズ)骨折とも呼ばれ、治りにくいのが特徴で、手術が必要になることが多いのが特徴です。

 

3. 中足骨骨折の原因

中足骨疲労骨折は、ランニングやジャンプ動作による過度の体重負荷が、長時間、足部アーチに繰り返し加わることで発生するオーバーユース(使いすぎ)に起因する足のスポーツ障害です。

 

走ったり、ジャンプをしたりするスポーツで起きやすく、サッカー・ラグビー・バレーボール・マラソンや長距離競技に好発します。

選手側の要因としては、足の形態異常,(外反母趾,足部アーチの低下,偏平足,など)により、床反力に対してのクッション機能が低下して発生する場合が多いのが特徴ですが、逆にアーチが高すぎることで、負荷がかかりやすくなっていることもあります。それ以外には、体の重心が前方に集中するような身体の使い方や、筋力不足、アンバランスな筋力、未熟な技術、体の柔軟性不足などの影響が考えられます。また、偏った栄養によって骨が弱くなっていることもあります。

最近は、女性の体重低下による月経異常でホルモンバランスが崩れ、骨がもろくなり疲労骨折を起こしやすくなることにも指摘されています。環境側の要因としては、オーバートレーニング、選手の体力や技術に合わない練習、不適切なシューズ、練習場が固すぎたり、柔らかすぎたりすることなどが考えられます。

 

第5中足骨疲労骨折は、サッカーやフットサルなど、切り返し動作の多いスポーツに多く見られるのが特徴です。

第5中足骨は足の外側にある骨ですので、特に体重を足の外側にかけた時に骨にしなりやねじれの力が強くかかります。そのため、この疲労骨折は、リスク因子としては、外側へ荷重しやすい方や固いグラウンドでハードなトレーニングをする事、不適切なシューズの選択など、個体の因子(身体のつくりや足の使い方の癖)と環境の因子が挙げられます。

また、サッカーのスパイクのポイントの位置も、負担にかかわっているという意見もあります。

中足骨疲労骨折の症状と診断

安静時の痛みはありませんが、走ったりジャンプしたりすると痛みが出るのが特徴です。

疲労骨折は症状が急激に現れるのではなく、少しずつ痛みが現れ、慢性化していくものですが、事前に何らかの違和感(熱感・発赤・腫れ)が出てきます。これらの違和感があり、軽く押してみて痛みを感じるのであれば、疲労骨折の可能性を疑い、早めに近くの整形外科への受診をお勧めします。初期では、レントゲン検査で診断をつけるのが難しいため、見逃されることもあります。

MRIでは比較的容易に診断がつきます。

 

中足骨疲労骨折の治療法

第1―第4中足骨の疲労骨折では、運動を4−6週程度中止し、安静を保つことによって、治癒することがほとんどです。

歩行時に強い疼痛がある場合は松葉杖などによる免荷が必要となります。

 

第5中足骨に起こるジョーンズ骨折では、骨が治りにくく、骨折を再発しやすいことから、手術による治療が推奨されています。

手術は骨の中に金属のボルトを入れて固定します。

いずれの場合も、骨折の治癒には時間が必要となります。その間に、足首の柔軟性を獲得し、足部の動きを改善するなど、原因となった、身体的要因を改善するためのリハビリをすることが重要です。また、足のアーチに問題がある場合には、靴の中敷を作って、アーチをサポートすることも有効です。スポーツ選手にとって、長期間の安静はパフォーマンスの低下に直結するため、可能な限り筋力や持久力を低下させないようにリハビリを進行していくことが求められます。

練習再開に際しては、オーバーワークにならないようなトレーニングメニューの再考が必要です。

また、ストレッチによる足関節、膝関節、特に股関節の柔軟性獲得を図り、ランニングによる足部への負担を軽減する必要があります。

 

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ライター紹介 ライター一覧

大坪 英則

大坪 英則

大坪英則(おおつぼ ひでのり)
専門 スポーツ医学、膝関節・股関節鏡手術
医学博士
日本整形外科学会 専門医
札幌スポーツクリニック 副院長
北海道千歳リハビリテーション大学 客員教授
札幌医科大学医学部 非常勤講師
帯広協会病院スポーツ医学センター 初代センター長
日本オリンピック協会 医科学委員

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